水面お気楽フィッシング♪

「違うんだよなぁー」
電話の向こうの友人Ｓは、
少し頭を抱えたような口調でそういった。
「その回答じゃ、３０点だよ。
ルアーフィッシングをやるにあたっては・・・」


湾岸シーバスの続きである。

干潮になったら、自分が引っ掛けたルアーを回収できると
やってきた湾岸のいつものポイント。
その時間までの暇つぶしのつもりの
軽い気持ちで釣りを始めたら、
自分としては思いがけない大物シーバスを
ゲットすることが出来ました。

ギャラリーの、人のタックルをけなすおじさんも
これならなんもいえまいと思い
「タックルは、こんなもんで十分でしょ」と、水を向けると、
「今年の魚は、どれも引かねぇなぁ」
だって。
殴っていいですか？

俺はこれはこれで楽しんでいるんだよ！！

自分へのお祝いに、缶コーヒーを
ご馳走しようかと思いましたが、やめて、
海面に突き落とそうかと思いましたが、
こんだけ浅くても溺れそうなので、
殺人となったらしゃれにならんので、こらえました。

無視、無視。
（いったいどういった環境に身を置いていると
ああ言う物言いができるようになる物なんだろうか？）

そうは言っても、先ほどまで自分が撃っていたであろうポイント。
私に釣れたからには悔しいに違いない。
他にも魚が入っているのも、期待できる。
そう、考えると気が晴れた。

おじさんは少し離れたところで、キャストを始めていた。


ヴィジョン９５ダブルフック換装仕様を
引き続きキャストする。
シーバス雑誌などを読んでいて、
初心者がミノーを覚えるには
引き抵抗のあるものを選ぶといったようなことが、
書いてある。
そういう意味ではヴィジョン９５など、
メガバスのルアーは自分のレベルでも使いやすい。
東山湖でも普段から使用しているので
何となく感じが掴めているという事もある。
飛ぶ飛行姿勢も安定しているのでキャストのフィーリングも良い。
純然たる、ソルト用のルアーではないが
べつだん問題が無いことは、釣れた事によって分かる。
こういうときは、信じて投げ続けられる。

こういう安心感は釣りに重要だ。

アップストリーム・正面・ダウンストリーム
スローに引いてみたり、速く引いたり、トゥイッチを入れたり。
このルアーに見切りをつけないで、
落ち着いて色々取り組める。

ややアップストリームからの早引き。
自分の数メートル手前で、ダウン側に流されたところで
ロッドを立てて回収リトリーブ。
先ほどよりも潮が引き
自分の立って居る岸際２メートルほど先に
ブレイクが見えている。

ルアーが引っ掛かりそう。

シャカシャカシャカと速く巻いて
抜きあげようと構えると
水中の闇より目いっぱい大きな口をあけてシーバスが
水面寸前のルアーを引ったくり
ターンして潜っていく。
いや行った。一瞬のこと。
思わず「おわっ！」っと、
声を上げていた。
ロッドが急に重くなる。しなる。
ドラグが唸る。
完璧向こうあわせ。
いきなりゴングが鳴った。
ＦＩＧＨＴ！

完全に遅れた。一気に走られ、
ラインが凄い勢いで出て行く。
ロッドを持ってしばし耐える。
ふわっと軽くなった。ジャンプが来る！！
竿先が水につきそうなほど下げて
かわす。

水面近くでバシャバシャと暴れるのが見てとれる。
主導権は取り返した。
少し驚かされましたが、そこからは、
余裕を持って楽しむ。

本当に楽しい。至福の時だ。

多分、シーバスをやるには
あまり過剰とはいえない、ほどほどのこのロッドが
楽しさを倍増させているような気がする。

多分これなら、８０以上そこそこのサイズでも
十分戦える。（と、思う）
まったく成すすべも無くやられてしまうといったことは、
おそらく無いぜ！おっさん！！

ランディング成功。

ＮＩＣＥ　ＦＩＧＨＴ！！




その後、千葉に戻ることも考え
例のルアーを回収して帰りました。

気がつくと、右手の親指の付け根が
ぼろぼろになって少し血が混じっていた。
ハンドランディングのせいだ。
ーでも、それさえも気持ちいい一夜でした。

本日のシーバスタックルを一応

ロッド


アルファータックル(alpha tackle) Ｒｉｖｅｒ　Ｒｕｎｓ　ＲＵＮＳ　ＢＡＣＫ　７０
ナチュラムでお買い得価格で
販売されておりますが、
この定価は伊達じゃない！
と、思わせる使って楽しいロッドです。
ただし当方オーバースペックのＰＥライン使用中。
そういったものを御使用の際には自己責任でお願いします。


リール


okuma(オクマ) ＭＩＳＴＩＱＵＥ　ＭＱ－３０
大変安くチープとも言えなくも無いですが
十分使用に耐えます。
っていうか、ある意味お買い得？
今ではokumaでも上位機種がほぼ同様な
お値段で買えるので、
再び購入するかと聞かれれば、
答えるまでもありませんが、
コストパフォーマンスは絶大といえるでしょう。





・エピローグ・
湾岸シーバス通信講座

「これで必ず釣れる様になります。」

そうアドバイスをくれた友人Ｓに電話をかけて
お礼を言った。

いろいろと話をしたわけなのですが、
「それで、俺がルアーの数を減らさせた意味は
わかったの？」と、聞かれた。

「沢山ルアーを持ち歩いていても邪魔だし、
混乱するし、フットワークも悪くなるから。
今、選んだルアーをしっかり使えるようになりなさい。って、ことでしょ？」

「違うんだよなぁー」
「その回答じゃ、３０点だよ。
ルアーフィッシングをやるにあたっては・・・」
「？？？」
「ルアーってデザインした人が狙った動きって言うのが、
練りこまれているんだよ。ヴィジョンなら、伊東さんのね。
ルアーそれぞれのそれを、正しく知って欲しいのよ。わかる？」

「・・・・」

「いいかい、魚に一番近いルアーをデザイナーが意図したとおり
正しく引くって事が基本なの。
早引きとか、スローリトリーブとかじゃないの。
それが分かってからの話なんだよ。

それを知ってもらうために、一度ルアーの数を減らしたの。
第一、早引きで釣れましたって、
アップストリームにキャストして
こっちに流れがあるところで早引きしたときに
ルアーの動きって、考えたことある？

自分のほうに流れているんだから、
負荷のかからない状態。
流れの無いところで、普通にリトリーブしているときに
きわめて近い動きをルアーがしているのが、
想像できる？

１匹目はまさにそういう状態で魚にアピールした結果じゃないの？

それが分からないでルアーを使うのは、
疑似餌っていうか、餌釣りと一緒なんだよ。

場所を変え、シチュエーションを変え
その時々にルアーのポテンシャルをきっちり引き出すために、
そのルアーの狙いどころを掴むように心がけないと。

それが分かってくると、ルアーフィッシングの
１匹にたどり着く過程ってのが
楽しめるようになったといえるんだよ。

魚の重さを競うのも、長さを競うのもその後！！

２匹目のシーバスは、通常のルアーの動きから
底に当たってヒラ打ったときのリアクション。
３匹目は、通常の動きからピックアップに
動きの変化があったリアクション。
その経験をしっかりルアーの動きとして理解して、
次の１匹に進むんだよ。

君が教えられたスローリトリーブって言うのは、
ただゆっくり引くという意味じゃなく、
意図されたルアーの動きを抑えて使う。
意図された動きをむやみに見せて
魚にプレッシャーをかけない。
―が、流れの変化のある場所や
流されたルアーがこちらに向きを変えたときなどに
一番良い動きをするようにと、
俺はそういう風なことを言っているんだと考えるが？わかる？」

「・・・・・」（しばし沈黙）

他にも色々話をしたのですが、
電話を切った後、
しばらく考えてこんでしまった。

へこんだ

私はなんて上滑りなところで、
ルアーフィッシングをしていたのだろう。
そもそも自分のしていることは
Ｓの言うところのルアーフィッシングなのだろうか？

おりしも、この電話の翌日に
注文しておいたヒロ内藤のＤＶＤ
「ＴＨＥ　ＡＮＳＷＥＲ１＆２」が、届いた。
ヒロ内藤さんが、Ｓと同じようなことを優しく説明していて、
本当にびっくりした。

サンプルムービーもあります。
http://www.naigai-shop.com/SHOP/911202.html
http://www.naigai-shop.com/SHOP/911106.html

ただの偶然ですが、
自分にルアーにもっと真面目に取り組めと
風が吹いているように感じました


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